平成15年度全建賞のページ
■平成15年度 全建賞

■平成15年度全建賞(建設技術の活用(分野A))の選考を終えて (審査委員長 門 松   武)
 全建賞は、わが国における建設技術の発展に寄与する賞として、昭和28年度に設置され、毎年優秀な建設事業を選考し、 実施した機関を表彰するもので、これまでに51回を重ねる伝統のある賞であります。
 本賞につきましては、平成15年度から、これまでの「全建賞」及び「21世紀の「人と建設技術」賞」を統合し、新たな「全建賞」として 一本化を図りました。これは、建設技術を駆使し「物」を造ることとあわせて、今日、事業の効果・評価、環境への影響、住民意向の反映等コ ミュニケーション型行政が求められていること等から、見直しを行なったものであり、平成15年度は、建設技術の活用(分野A)により、 また公共事業の進め方やストックの運用の工夫等(分野B)により、優れた成果が得られた、もしくは、優れた成果を得ようとする事業及び 施策を選考し、これを実施した機関を表彰することとしました。
 全建賞建設技術の活用(分野A)の部門については、全国の事業主体71機関から応募のあった185事業のなかから、道路、河川、都市、住宅、 建築、港湾、調査研究の7部門44事業を優秀な事業として選定しました。
審査にあたっては、建設技術の活用により、以下の項目に関して優れた成果が得られた、もしくは、
 @)事業の効果
 A)環境への配慮
 B)コストの削減
 C)ユニバーサルデザイン
 D)施工の効率化・円滑化
 E)景観への配慮
 F)ライフサイクルコストの低減
 G)既存施設の活用や更新
の観点から審査委員会において審査しました。審査では、特に、事業の効果、環境への配慮、コストの削減、景観への配慮等において成果が 得られた、もしくは得ようとする事業であり、また、より先駆的に取り組まれ類似性の少ない事業であるか等も考慮し、「全建賞」に相応しい 事業の選考に努めました。
 さて、今日、事業の効果・評価、環境への影響、財源、事業の進め方(住民の意向の反映、説明責任等)などの面から、公共事業のあり方に ついて様々な指摘がなされています。国土づくり、地域づくりに携わるものとして、ハード・ソフトの両面から着実に社会資本を整備し、 よりよい国土や地域を目指し、人々が安全で安心な暮らしを実現していくことが必要であります。そして、これを次世代に引き継ぐことが私 たちに課せられた責務であることを自覚し、事業の適切な実施はもちろん、限られた財源等の制約のもと、利用者の視点から、より良い品質を 確保し、より低コストでより早く効果を発揮させることやストックの有効な利活用を図るため、一層の創意工夫を図っていく必要があります。
 会員各位には、これまで培われた建設技術を基礎として、一層の技術の研鑚、知識の涵養に努められるとともに、経験を重ねられ建設技術の 発展に積極的に取り組まれることを期待します。今後とも本賞について、会員各位のご理解とご協力をいただき、引き続き積極的に参加され ますようお願いいたします。

■平成15年度全建賞(公共事業の進め方やストックの運用の工夫等(分野B))の選考を終えて
(審査委員長 小 澤 紀美子)
 平成15年度全建賞公共事業の進め方やストックの運用の工夫等(分野B)については全国から54事業の応募が ありました。本賞は、公共事業の進め方やストックの運用の工夫等により、優れた成果の得られた、もしくは、 優れた成果を得ようとする事業及び施策を選考し、これを実施した機関を表彰するものです。
 審査は、以下の項目を通じて優れた成果が得られた、もしくは、優れた成果を得ようとする事業について
 @)企画、計画、設計、施工、運用、維持管理の段階における住民参画
 A)ストックの有効活用に関する運用面の工夫
 B)情報の提供や共有
 C)ユニバーサルデザイン
 D)事前、事後等における事業評価価
の観点から、まず内部審査委員会において審査しました。それらを参考にしながら、各審査委員は応募書類に目 を通し、それぞれ事前に15件の推薦事業を選び、それらを集計整理した後、審査委員会を開催しました。
 審査委員会では、まず、審査の進め方を議論し、審査委員及び内部審査委員が選考した事業の順位を確認し、 審査委員の選考の観点を確認して15事業を選定しました。
 今回は、特に、本賞募集要項に「優れた成果が得られた、もしくは、優れた成果を得ようとする事業及び施策と する」と明記され、審査上の判断材料として、新規性、話題性等の成果の考慮点が簡潔に記述されていましたの で、応募書類が読みやすく、セールスポイントも明快でありました。その結果、審査委員と内部審査委員の審査 には大きなズレはありませんでした。
 高い評点を得た事業の特徴をまとめますと、次の通りです。
企画、計画、設計、施工、運用、維持管理の段階において、ワークショップ等による地域住民の参加やNPOとの 連携が図られている事業のほか、事後評価により整備効果のフォローアップなどが適切に行われている事業。 さらに、アドプト制度によりコミュニティと一体となった管理が行われている事業。
体験が少ない現代の子どもたちが、自然観察から河川愛護や災害時の警戒避難の術について学ぶ総合学習の場 として活用されている事業。
ユニークな発想により維持管理コストの削減が図られているほか、技術の伝承やリサイクルなど有効活用が 図られている事業。
地域住民が主体となり、歴史的・文化的資産の保存と再生を提言したものについて、行政で実践化し、地域との 協働で進められ、より確かな効果を発現している事業。
参加者の数は限定されているが、社会資本整備についてのアピールなどの波及効果が 期待される事業。
などです。
 次世代に対し、質の高い環境保全・回復と歴史的・文化的資産を大事にする地域や都市を維持・再生していくため、 市民との継続性のある協働を期待します。  

■平成15年度全建賞 受賞一覧
PDFファイルをご覧いただくには、Adobe Acrobat Readerが必要です。
「Get Acrobat Reader」のボタンでダウンロードして下さい。
ボタン
◆技術の活用(分野A) 44事業
道路 河川 都市 住宅 建築 港湾 調査・研究

【道路部門】 13事業   UP ▲
事 業 の 名 称 受 賞 機 関 協 会 名
北海道縦貫自動車道和寒〜士別剣淵間の建設事業 日本道路公団北海道支社
旭川工事事務所
日本道路公団協会
国道357号東京湾岸道路環七立体 国土交通省関東地方整備局
首都国道事務所
関東地方整備局協会
東名高速道路浜名湖内橋梁耐震補強工事 日本道路公団東京管理局
袋井管理事務所
日本道路公団協会
静岡駅前地下駐車場事業 国土交通省中部地方整備局
静岡国道事務所
静岡市都市計画部都市計画事務所
中部地方整備局協会
主要地方道浜松環状線橋梁整備(一般)事業(とびうお大橋) 静岡県浜松土木事務所 静岡県協会
南阪奈道路の建設事業 国土交通省近畿地方整備局大阪国道事務所
大阪府富田林土木事務所松原建設事業所
奈良県高田土木事務所
日本道路公団関西支社奈良工事事務所
大阪府道路公社南阪奈有料道路建設事務所
近畿地方整備局協会
京都第二外環状道路(京滋バイパス・一般国道478号)建設事業 国土交通省近畿地方整備局
京都国道事務所
日本道路公団関西支社
京滋工事事務所
近畿地方整備局協会
横川駅前交通結節点改善事業 国土交通省中国地方整備局
広島国道事務所
広島市
中国地方整備局協会
一般国道2号玉島バイパス船穂高架橋整備事業 国土交通省中国地方整備局
岡山国道事務所
中国地方整備局協会
山陰道(江津道路)整備事業 国土交通省中国地方整備局
浜田河川国道事務所
日本道路公団中国支社
広島工事事務所
中国地方整備局協会
山手橋拡幅工事 広島市道路交通局道路部街路課 広島市協会
一般国道324号・出島バイパス(ながさき出島道路)改良事業 長崎県出島バイパス建設事務所 長崎県協会
熊本高森線道路改築事業及び熊本高森線単県幹線道路整備特別事業 熊本県阿蘇地域振興局土木部工務課 熊本県協会

【河川部門】 8事業   UP ▲
事 業 の 名 称 受 賞 機 関 協 会 名
青森直轄海岸保全施設整備事業 国土交通省東北地方整備局
青森河川国道事務所
東北地方整備局協会
黒渕地すべり対策事業 国土交通省東北地方整備局
新庄河川事務所
東北地方整備局協会
荒川第一調節池工事 国土交通省関東地方整備局
荒川上流河川事務所
関東地方整備局協会
今井川地下調節池建設事業 横浜市下水道局河川部河川設計課 横浜市協会
鳥屋野潟排水機場建設事業 国土交通省北陸地方整備局
信濃川下流河川事務所
北陸地方整備局協会
柿崎川総合開発事業「柿崎川ダム」 新潟県上越土木事務所 新潟県協会
一級河川新井郷川(福島潟放水路)河川激甚災害対策特別緊急事業 新潟県新潟土木事務所 新潟県協会
紀の川大堰建設事業 国土交通省近畿地方整備局
和歌山河川国道事務所
近畿地方整備局協会

【都市部門】 9事業   UP ▲
事 業 の 名 称 受 賞 機 関 協 会 名
積雪・融雪処理槽整備事業 青森市下水道部下水道推進課 青森市協会
 東京都市計画道路幹線街路事業放射第16号線(清砂大橋) 東京都建設局道路建設部
東京都建設局第五建設事務所
東京都協会
 新しいシールド技術(コンパクトシールド工法)を用いた台東区三筋二丁目、鳥越二丁目付近再構築工事 東京都下水道局中部建設事務所 東京都協会
上田駅お城口地区第二種市街地再開発事業 上田市 長野県協会
小松駅東西土地区画整理事業 小松市 石川県協会
 緊急地方道路整備事業瀬戸都市計画道路菱野線菱野トンネル建設工事 愛知県尾張建設事務所 愛知県協会
南部浄化センター建設工事 和歌山県南部町
日本下水道事業団
和歌山県協会
国営沖縄記念公園首里城地区整備事業 内閣府沖縄総合事務局
国営沖縄記念公園事務所
沖縄総合事務局
沖縄都市モノレール建設事業 内閣府沖縄総合事務局
南部国道事務所
沖縄県土木建築部
都市モノレール建設室
那覇市建設管理部道路建設課
沖縄県協会

【住宅部門】 1事業   UP ▲
事 業 の 名 称 受 賞 機 関 協 会 名
サンコート砂田橋公社賃貸住宅建設工事 愛知県住宅供給公社 愛知県協会

【建築部門】 5事業   UP ▲
事 業 の 名 称 受 賞 機 関 協 会 名
山形市立第一小学校改築事業 山形市 山形市協会
那須野が原博物館建設事業 栃木県西那須野町 栃木県協会
埼玉県立武道館新築工事 埼玉県県土整備部営繕課 埼玉県協会
豊橋市総合福祉センター「あいトピア」建設事業 豊橋市 豊橋市協会
大阪市中央公会堂保存・再生工事 大阪市住宅局 大阪市協会

【港湾部門】 7事業   UP ▲
事 業 の 名 称 受 賞 機 関 協 会 名
青森港本港地区景観形成モデル事業 国土交通省東北地方整備局
青森港湾事務所
東北港湾空港協会
小泊地区広域漁港整備事業(臨港道路整備) 青森県西地方農林水産事務所
西北地方漁港漁場整備事務所
水産庁協会
新潟港臨港道路入舟臨港線 国土交通省北陸地方整備局
新潟港湾・空港整備事務所
北陸港湾空港協会
 ふるさと海岸整備事業(津松阪港・松阪地区・西黒部工区) 国土交通省中部地方整備局
四日市港湾事務所
中部港湾空港協会
高知空港滑走路延長事業 国土交通省四国地方整備局
高知港湾・空港整備事務所
四国港湾空港協会
 上対馬北地区地域水産物供給基盤整備事業(鰐浦漁港自然調和型防波堤) 長崎県上対馬町 水産庁協会
長崎港内港再開発事業(長崎水辺の森公園) 長崎県臨海開発局港湾課 長崎県協会

【調査・研究部門】 1事業   UP ▲
事 業 の 名 称 受 賞 機 関 協 会 名
斜底面ケーソン式工法の開発 国土交通省近畿地方整備局
神戸港湾空港技術調査事務所
近畿港湾空港協会
UP ▲



◆公共事業の進め方やストックの運用の工夫等(分野B) 15事業
  
事 業 の 名 称 受 賞 機 関 協 会 名
堀川・谷津田川河川激甚災害対策特別緊急事業 福島県県南建設事務所 福島県協会
「けやき並木の新呼吸」〜定禅寺通利活用推進事業 仙台市 仙台市協会
東京ジオサイトプロジェクト 国土交通省関東地方整備局
東京国道事務所共同溝課
関東地方整備局協会
狛江水辺の楽校 狛江水辺の楽校運営協議会 関東地方整備局協会
滝野川コミュニティ道路整備事業 東京都北区建設部道路課 東京都協会
NPOと連携してコアジサシ営巣地を守る森ヶ崎水再生センター覆蓋上部整備工事 東京都下水道局森ヶ崎水再生センター 東京都協会
八王子都市計画公園事業第3・4・32号宇津貫公園事業 都市基盤整備公団東京支社
東京西部都市整備事務所
都市基盤整備公団協会
流木処理炭焼き窯 国土交通省北陸地方整備局
飯豊山系砂防事務所
北陸地方整備局協会
子供砂防教室や子供地すべり学会を通しての土砂災害の啓発活動 富山県土木部砂防課 富山県協会
御祓川ふるさとの川整備事業 石川県七尾土木事務所 石川県協会
北陸自動車道敦賀地区雪氷対策強化「リアップ計画」 日本道路公団北陸支社保全部
日本道路公団北陸支社
敦賀管理事務所
日本道路公団北陸支社
福井管理事務所
日本道路公団協会
国道41号黒川・萩野地区道づくりワークショップ 国土交通省中部地方整備局
名古屋国道事務所
中部地方整備局協会
呉駅周辺バリアフリー空間整備事業 国土交通省中国地方整備局
広島国道事務所
中国地方整備局協会
「88クリーンウォーク四国」 四国地方幹線道路協議会 四国地方整備局協会
ひびきコンテナターミナルPFI事業 北九州市港湾局 北九州市協会
UP ▲

BACK